WordPress ばっかり作ってきた人のための Cloudflare 入門
Workers・D1・R2・KV って結局なに? レンタルサーバーとWordPressにたとえて整理しました。

Cloudflare って、CDN の会社じゃないの?
WordPress のサイトを作ってきた人にとって、Cloudflare は「DNS を預けて、キャッシュと SSL をお願いするところ」というイメージが強いと思います。わたしもそうでした。
でも今の Cloudflare は、プログラムも、データベースも、画像も置ける場所になっています。このサイトも、レンタルサーバーを使わず、Cloudflare だけで動いています。
ひとつ下の階(B6)で書いた制作記に出てきた、Workers、D1、R2、KV。この階では、これらを WordPress の言葉に置き換えて整理してみます。
ひとことで言うと、こういう対応です
Cloudflare | WordPress でいうと | このサイトでの役割 |
|---|---|---|
Workers | PHP が動くサーバー | ページを組み立てて返す |
D1 | MySQL(データベース) | 記事・設定・ユーザー |
R2 | wp-content/uploads | アップロードした画像 |
KV | セッション・キャッシュ置き場 | ログイン状態の保存 |
DNS / CDN | ネームサーバーと高速化プラグイン | ドメインと配信 |
Workers:サーバーのない「サーバー」
WordPress は、レンタルサーバーの上で PHP が動いて、アクセスのたびにページを組み立てます。
Workers は、その「ページを組み立てる係」を、Cloudflare の世界中のデータセンターで動かしてくれる仕組みです。
- 動くのは PHP ではなく JavaScript / TypeScript
- サーバーの OS や PHP のバージョン管理が不要
- 訪問者に近い場所で動くので速い
- GitHub に push すると自動で公開される
「FTP でテーマをアップする」作業が、「push する」に変わるイメージです。
D1:MySQL の代わりになるデータベース
D1 は SQLite をもとにしたデータベースです。WordPress で言えば、wp_posts や wp_options が入っている MySQL の役割を担います。
phpMyAdmin のような画面はありませんが、Cloudflare のダッシュボードから中身を確認したり、SQL を実行したりできます。
R2:uploads フォルダの引っ越し先
R2 は、画像やファイルを置いておくストレージです。WordPress の wp-content/uploads にあたります。
いちばんのポイントは、データを取り出すとき(ダウンロード)の通信料がかからないことです。画像の多いサイトでも、転送量の課金を気にしなくて済みます。
KV:ちょっとしたメモ帳
KV は「キー」と「値」をセットで保存する、軽い保存場所です。このサイトでは、ログイン状態(セッション)の保存に使っています。WordPress で言えば、Transient API やオブジェクトキャッシュに近い存在です。
お金はどれくらいかかる?
2026年10月時点の公式の料金です。
無料プラン
- Workers:1日 100,000 リクエストまで
- D1:1日 500万行の読み取り、10万行の書き込み、保存容量 5GB
- R2:保存 10GB/月まで、ダウンロードの通信料は無料
- KV:1日 100,000 回の読み取り、1,000 回の書き込み
有料プラン(Workers Paid)
- 月 5ドルから
- Workers は月 1,000万リクエストまで込み
- D1 は月 250億行の読み取り、5,000万行の書き込みまで込み
個人ブログや小さな会社のサイトなら、無料プランか月 5ドルで収まることがほとんどです。料金は変わることがあるので、最新の情報は公式ページで確認してください。

WordPress と違うところ(ここは注意)
- プラグインは使えません:お問い合わせフォームや SEO の設定は、CMS 側の機能か、自分で作ることになります
- PHP は動きません:WordPress のテーマをそのまま持ってくることはできません
- Git を使います:テーマの変更は GitHub への push で公開します
- 管理画面は CMS しだい:このサイトでは EmDash の管理画面を使っています
向いているサイト・向いていないサイト
向いているサイト
- ブログやお知らせ中心の、更新がシンプルなサイト
- 表示の速さを大事にしたいサイト
- サーバーの保守やセキュリティ更新に手間をかけたくないサイト
- ちょっと変わった動きを作りたいサイト(このエレベーターのような)
向いていないサイト
- 決済や予約など、WordPress のプラグインに頼っているサイト
- 制作会社なしで、担当者さんが自由にレイアウトを組み替えたいサイト
WordPress を捨てる必要はありません
わたしは今も WordPress でたくさんのサイトを作っています。Cloudflare は「WordPress の代わり」というより、サイトの作り方の選択肢がひとつ増えたという感覚です。
「このサイトは WordPress、こっちは Cloudflare」と、目的に合わせて選べるのが一番だと思います。
さあ、もうひとつ上の階へ。




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